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私の提案する家具「rhombuses-chair」 (住宅建築 2006年4月号)   Apr 01, 2006

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このイスは形のないイスである。固定された姿勢、ふるまいを持っていない。7つの間接
が自在に角度を変え、身体のフレキシビリティやシチュエイションの変化を受け止める。

はじまりは、ヒンジの機構を利用した伸縮自在のスクリーン「EFoS」( ’02年) をデザイ
ンしたことから。このスクリーンは連続した四辺形の構造体からなり、縮んだ状態から最
大で9.15倍にまで伸延するものだった。

その後その連結四辺形の構造をアレンジしてこのイスのアイデアに発展する。しかし具現
化のプロセスには模型での検証が不可欠だった。そもそも定まった形のない構造の検証に
平面上のスケッチという手法では無理があったことと、あるルールに乗らなければこのイ
スを構成する座や背や脚の四辺形が理想的な連動をしないことが理由だった。

いくつもの小さな試作を屑として、結局この一つのシンプルな形に辿り着いた。材料には
10×20mm の檜材を選択。白木の細い材料の繰り返しが繊細な陰影を創り、どこか日
本的な雰囲気も生んでいる。

一方関節の部分の内部は少しメカニカル。実は現在も、よりスムースな動作を目指して開
発の途上である。各関節には鋼棒が差し込まれていて、その内一つにはラチェット機構が
組み込まれる。自由な角度で固定/リリースが可能で、一つの関節を操作することによっ
て全体の形態が制御される。(開発・販売協力会社募集中)


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