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リノベーションという手Apr 21, 2012

今年に入ってリノベーションのご相談が増えています。
地震を契機に日本の社会が変わりつつあることの一つの顕れのように思えます。

勿論、経済的な理由や、耐震改修など不安に対する備えも動機にはあるようですが、
一つ一つのお話を伺うと、もう少し社会的な、文化的な側面も言外に見え隠れしています。
例えば、全てが新しくなければならぬという価値観の変化。。
歴史、地域、人、物語への接続、つまり何らかの繋がりを求める心理。。

ある建築史家は、自然や、環境の一部と化した古い建物について、
「置き換え不可能で、新たな発見に開かれている」と言っています。
置き換え不可能なのに開かれているというのは、上書き(書き換え)が可能だということ。
リノベーションはまさに、新たな発見から新たな価値を創造、添加することが本意であり、
ひいてはそれが物事(モノ・コト)の継承へと繋がってゆきます。
いわゆる伝統というものも、そのように作られてきたものなのでしょう。

新築に比べるとリノベーションは制約が多いように思えますが、
単純に建築コストを安く上げるための手段、消極的な動機によるのではなくて、
制約を可能性に変える柔軟さを持てれば、新築には無い魅力を獲得することも出来ます。

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写真は旧来のログハウスをリノベすることでカントリーの可能性を拡げた、BESSの新作!

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